私の人生は緑色

メロンクリームソーダみたいな愛をそえて

はなとゆめ

すのーまんって漫画でいうとヒロインの相手みたいな人たちだなーって思ってた。



自担以外



その人たちの漫画はハッピーエンドで終わりそうだなーって思ってた。

(さくまくんは冒険ものとか)



……




阿部くんってヒロインに片思いして失恋するいい人っぽくない?



私が阿部くんを好きになったころ、「阿部くんのファンです」と言うと驚いた顔をされることが多かった。

そのころによく


「なんで阿部担は少ないの?」

「阿部くんのことを好きな人は多いけど、担当は少ない」


そんな言葉を見かけることが多かった。




阿部くんはたぶん読者投票1位だ。




月刊の漫画雑誌で人気キャラクターの読者投票をしたら阿部くんが1位だと思っていた。だいたいこういう投票はヒロインの彼氏より、ヒロインに片思いしてふられた男の子が上位にくる。


阿部くんは読者投票1位。
だからヒロインにフラれようとも、投票1位のご褒美に作者におめでとうの書きおろしのイラストを描いてもらって、バレンタイン企画なんかは読者からのチョコレートを食べる幸せそうな顔を見せてほしい。



そんな気持ちとともに私は、阿部くんが漫画の主人公になる方法を考えていた。




いまひとつな胸キュンフレーズに、もう少し色気がほしいダンス。それと………………それと、それと?それ以外思い付つかないな。



とにかく上の2つを少し変えたらめちゃくちゃ人気が出ると思ってた。












いつの間にかめちゃくちゃ人気になってた。

気づいたら私が思い描いていた作画になっていた。

ふきだしには、私がときめく胸キュンフレーズが並んでいた。






どうした阿部くん。




オタクはとまどった。




「好きだバカ」




阿部くんがよく言う漫画のセリフ。
(この話の流れにはまったく関係ありません)




作者どうした。

これはアナザーストーリーか?




…………アナザーストーリーというより、第二章?




この物語、こんなにキャラ変して話ちゃんと進むのか?


………まぁそれを見続けるのが楽しくて仕方ないんだけど。











気づいたらオタクはヒロインになっていた(突然)


読者のつもりで投票してたオタク、急に景色が変わったと思ったら二次元に転生していた。






第二章『オタ活』のヒロインは私で、お相手はアイドルの自担。



「リア恋は苦しいから絶対しない」



そう思っていたオタクが、今、自担にリア恋みたいな感情を抱いていた。



阿部くんが手を振った先に、何万もの物語が広がる。全員が主人公で、その物語のすべてが阿部くんとのハッピーストーリー。



すべてのストーリーを覗きたいくらい、阿部くんのことを最上級に好きな『オタ活』のヒロインになっていた。あなたの阿部担はどこから?私はライブから。そんなあなたには緑のペンラ!(CV.綾瀬は〇かさん)





終わりの見えない物語。





阿部くんの描くストーリーに、いつまでも描かれるオタクでありますように。



ストロングゼロのメロン味を飲みながら、社畜ヒロインはそんなことを考えているのであった。